講座番号 | 311042n |
期間 | 2019年8月30日 |
回数 | 1回 |
曜日 | 金 |
時間 | 13:00~14:30 |
定員 | 50 名 |
一般料金 | 1,500円 |
会場 | 三鷹サテライト教室 |
明治21年10月、明治天皇の新しい宮殿が完成する。実は、明治6年、旧西の丸御殿が焼失したため、以後、新しい宮殿の建築が検討され、一部工事も行われましたが、場所、建築様式、構法、内部構造・装飾などの問題で、いろいろな意見が生じ、また地盤の安全性など種々困難もあり完成まで紆余曲折を経ました。しかし、そうした困難を乗り越えて宮殿が完成したのです。
明治宮殿は、着工から4年余の時間をかけて造営された木造建築。宏大な規模を誇り、和風の伝統様式を基本としつつも、構法や装飾などに洋風を一部取り入れた和洋折衷の建物でした。明治22年2月11日、宮殿・正殿で挙行された明治憲法の発布式典は、その歴史上、最も華やかなものでした。宮殿は、50数年間にわたり政治の場として、皇室並びに国家の重要な儀式が行われました。他方、天皇・皇后の日常生活を支えた場でもありました。そうした意味から宮殿が持つ役割には大きなものがあったといえましょう。
そこで本講義ではまず最初に、明治宮殿の完成までの経緯を辿ると共に、各段階の造営論の特色を明らかにします。つぎに宮殿の構造、各室の装飾・機能(使用目的)を写真・絵図などを用いて具体的に紹介します。
日程 | 内容 | |
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第1回 | 2019/08/30 |
堀口 修
(ほりぐち おさむ)
元大正大学教授・元宮内庁書陵部編修課勤務
1949年東京生まれ。中央大学大学院文学研究科史学専攻博士課程満期退学。博士(史学)。宮内庁書陵部編修課を経て2011年4月から2016年3月まで大正大学文学部歴史学科教授。専門は日本近現代史。『明治立憲君主制とシュタイン講義―天皇、政府、議会をめぐる論議―』(慈学社出版、2007)、『宮内省の公文書類と図書に関する基礎的研究』(創泉堂出版、2011年)、『 金子堅太郎と国際公法会―日本の条約改正問題と国際社会―』(創泉堂出版、2013年)、『 関東大震災と皇室・宮内省』(創泉堂出版、2014年)、「明治天皇紀」編修と金子堅太郎(『日本歴史』第661号、2003年)、「昭和大礼記録」の編纂について(『明治聖徳記念学会紀要』復刊53号、2016年)、『皇族講話会資料選集』(クレス出版、2019年)ほか。
【学外サイト】
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