講座番号 | 0407034c |
期間 | 2022年5月11日 ~ 2022年8月9日 |
回数 | − |
曜日 | |
時間 | 1.5時間(30分×3回) |
定員 | - |
一般料金 | 1,300円 |
会場 | Web視聴 |
大正四年(1915)発表の森鷗外の小説「山椒大夫」は、「安寿と厨子王」の物語として良く知られています。実はこの「山椒大夫」は、中世から近世前期にかけて流行した語り物芸能である、説経「さんせう太夫」に基づいて執筆されました。その経緯は、随筆「歴史其儘と歴史離れ」に詳しく記され、鷗外が「山椒大夫」の執筆に、意欲的に取り組んでいたことが読み取れます。
鷗外の「山椒大夫」は、説経「さんせう太夫」を原話とした書き換えで、両者のあらすじ自体には、大きな違いはありません。しかし詳しく見ていくと、安寿の死の場面や結末部分など、物語の要所に興味深い相違点が含まれているのがわかります。
今回の講座では、森鷗外「山椒大夫」を適宜参照しながら、説経「さんせう太夫」を読みます。特に、両者の相違点を取り上げて比較検討することにより、近世から近代にかけての、人々の死生観・宗教観・倫理観等々の変化について、受講生の皆さんと考えます。同時に、文芸作品としての説経「さんせう太夫」と森鷗外「山椒大夫」の、構成や文体の魅力を味わいたいと思います。
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田草川 みずき
(たくさがわ みずき)
千葉大学准教授・本学能楽資料センター研究員
千葉大学大学院人文科学研究院准教授。早稲田大学大学院博士後期課程単位取得退学。博士(文学)早稲田大学。専門は近世文学および日本古典演劇(特に人形浄瑠璃文楽・能)。早稲田大学演劇博物館助手、日本学術振興会特別研究員等を経て、千葉大学高等教育研究機構准教授、早稲田大学演劇博物館招聘研究員、武蔵野大学能楽資料センター非常勤研究員。
主要著書に『浄瑠璃と謡文化―宇治加賀掾から近松・義太夫へ』(早稲田大学出版部、2012年)。早稲田大学名誉教授・内山美樹子氏とともに、朝日新聞の文楽劇評を担当。第5回日本近世文学会賞(2009年)、第28回公益財団法人清栄会奨励賞(研究者部門・2015年)受賞。
【学外サイト】
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