講座番号 | 0407035b |
期間 | 2022年4月20日 ~ 2022年7月26日 |
回数 | − |
曜日 | |
時間 | 1.5時間(30分×3回) |
定員 | - |
一般料金 | 1,300円 |
会場 | Web視聴 |
周知の通り、『日本書紀』と『古事記』は素材を同じくする伝承によって構成されています。しかし、その内容は両者で大きく異なる場合が少なくありません。これは両者の伝承が定着した時代の違いや両者の編纂目的の違いなど、さまざまな要因が影響したものと考えられます。
本講座では、そうした伝承のうち、もっとも著名なものの一つであるヤマトタケルノミコト伝承を取り上げます。
ヤマトタケルノミコト伝承は、本居宣長が『古事記』の東征出立の場面を激賞して以来、『古事記』を中心としてその文学性に注目して語られることが多くなっています。しかし、本来的には正史である『日本書紀』記載の伝承の方を正伝とすべきものと考えて良いでしょう。そこに描かれるヤマトタケルノミコトは、父帝に疎まれ最後は故郷を目前に放浪の内に死を迎える『古事記』の伝承とは大きく異なり、父帝の寵愛と信頼を受けそれに応えようと奮闘する姿が描かれています。それは『古事記』の伝承が「あわれ」の価値観を前面に出しているのに対し、「まこと」の価値観を前面に出した伝承ということができるでしょう。『日本書紀』のヤマトタケルノミコト伝承を通して、古代日本人が理想としたであろう「まこと」の心を考えます。
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渡部 修
(わたべ おさむ)
本学非常勤講師
1962年山形県米沢市生まれ。國學院大學大学院博士課程後期満期退学。専門は日本古代文学・伝承文学。民俗や芸能の伝承を基礎に据えた作品解釈の方法を研究。論文に、「『万葉集』東歌は「貴族文学の一支流」か」(武蔵野大学文学部紀要9)「ヤマトの西と東と─古道に見る二上山地域─」(万葉古代学研究所年報7)「『死者の書』が描いた二上山」(同)「上代のことわざ」(ことわざ4)『くずし字で読む「百人一首一夕話」』(武蔵野書院 共編著)など。
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