講座番号 | 0501031 |
期間 | 2023年8月7日 ~ 2023年9月25日 |
回数 | 5回 |
曜日 | 月 |
時間 | 15:00~16:30 |
定員 | 40 名 |
一般料金 | 12,500円 |
会場 | 三鷹サテライト教室 |
宇治十帖の最初の二帖、橋姫と椎本の巻を読みます。主人公の薫は宇治の八の宮と親交を結びます。八の宮は北の方にも先立たれ、零落して宇治に隠棲し、二人の姫君を養育しながら仏道を修行していたのですが、姫君達の行く末を気遣いながら亡くなります。平安時代の浄土教では、息を引き取る間際に一心不乱に念仏に専念していること(臨終正念)が、極楽往生の絶対条件でした。この臨終正念を絶対視する考え方は、法然・親鸞によって乗り越えられてゆきますが、それに先立って『源氏物語』が、八の宮の姫君達への愛執の断ち難さと臨終正念の遂げ難さを凝視して描いていたということは、思想史的にみてもたいへん重要なことなのではないでしょうか。
日程 | 内容 | |
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第1回 | 2023/08/07 | ①薫の生い立ちと道心 |
第2回 | 2023/08/21 | ②宇治の八の宮の境涯 ――橋姫巻① |
第3回 | 2023/09/04 | ③八の宮と二人の姫君 ――橋姫巻② |
第4回 | 2023/09/11 | ④姫君達の行く末を憂える八の宮 ――椎本巻① |
第5回 | 2023/09/25 | ⑤八の宮の死 ――椎本巻② |
【必携テキスト】
新潮日本古典集成 源氏物語 六 石田譲二 清水好子 1982年 定価 3,520円(税込み)
※上記教材をお持ちでない方は、
詳細ページよりご購入ください。
藤原 克己
(ふじわら かつみ)
東京大学名誉教授・紫式部学会会長・博士(文学)
東京大学大学院博士課程中退。岡山大学教養部講師、神戸大学文学部助教授、東京大学文学部教授、武蔵野大学文学部特任教授を歴任。博士(文学)。著書に『菅原道真と平安朝漢文学』(東京大学出版会)、『菅原道真 詩人の運命』(ウェッジ選書)、共著に『改訂新版 日本の古典――古代篇』(放送大学教育振興会)、『源氏物語 におう・よそおう・いのる』(ウェッジ選書)、『2008年パリ・シンポジウム 源氏物語の透明さと不透明さ』(青簡舎)、論文に「源氏物語とクレーヴの奥方」(柴田元幸編『文字の都市』東京大学出版会)などがある。
【学外サイト】
公開講座のセカンドアカデミー